私は親になれない

流産を3回経験し、絶賛『鬱病』闘病中・子なし四十路女の小言。それでも切実に伝えたい事。この日本でも個人での自由な生き方がもっともっと当たり前になりますように.....。

92、密になれない

久しぶりに美容室に行った。もちろん大手を振って行ったわけではないが、移してしまっては困る、と感じる家族が普通に稼働し始めたからだ。

私は私自身より、家族に及ぶのが怖くて自粛をしてきた所が強い。

そんな家族が割と普通に動き始め日常を少しづつでも取り戻して行かなけてはならない方面にシフトしたからだ。

 

伸ばし途中の髪を少々整え、割とお気に入りのカラーリングを前回、緊急事態宣言前ギリギリに行けた時と同じにしてもらった。

距離が近いのでもちろんどこか緊張をする。心の中で

『本当に嫌な世の中になってしまったなぁ』

と思った。人と会う時に、どんなに気のおける、信用に足りる人でも必ず心の中でどこか警戒心を持ってしまうのだから。それはもちろんお互い様だ。

こんなに悲しいことはない。

 

仲間と何も考えずに席を囲み、大笑いしながら酒を酌み交わすなんてきっとまだ年単位でできないのであろう。

 

美容室を出た後、外の空気を擦った瞬間いつも気持ちが軽くなってすっきりとした心もちになる。心なしか世界さえキラキラ見えるくらい気持ちが上がるものだ。

今回は特に、嫌なものを全て切り落とした気持ちになった。

そしていつも通り、世界が少しキラキラ見える気がした。

 

この2ヶ月、外へ出ないのだから化粧ももちろんほとんどしなかった。

旦那に申しわけないな、と思うくらい髪の毛もボサボサでメイクなしのメガネ姿が当たり前の生活だった。

大好きな洋服も買ったって意味ないし、とネットでも雑誌でも見なかった。

 

よくない。本当によくない。

特に、女性は見た目を気にしなくなるとものすごく心が荒む。

 

人に見られる職業の人はやはりとてもいつでもきれいにしていて、自分を律し、そして『見られている』と言う意識が高まれば高まるほどどんどんきれいになっていくのがわかる。

『誰も見てないし』とか『別に家できれいにしてても意味がない』と少しでも考え始めるととことん自分をサボる様になる。

 

家族が大切なのは当たり前だが、だからこそ家族以外の人間にも会わないとどんどん見た目と共に心も荒んでいく。

 

リモートワークが普通になっていき学校もオンライン、飲み会も直接会うことがどんどん減ってしまったら世の中には何も気にしないデブやブスが増えるのかもしれない。

実際に私もこの2ヶ月ビックリするほどのブスだった(笑)

人に会わない社会なんてやっぱり危険だ。そんなのはどうか映画の世界だけにしていて欲しい。

 

そんな矢先、少し前に自分を元気付けるために通っていたゴルフ教室の先生にばったり会った。

 

「お~お久しぶりです!」

とお互いになんとなく嬉しく笑顔で会話する中。

やはりこれもお互いに距離をとっていた。無意識に。

いいことなんだけど、やっぱり悲しい。

人が密になれないなら、それはもう人じゃなくなっちゃう気さえする。

 

『本当に嫌な世の中になってしまったなぁ』

と再び思った朝だった。