ワインが好きだ。
二十代から散々パラお酒は飲んできて、ある程度は一通りの種を嗜んだと思う。
だいたい初めは梅酒とか当時はやってた杏露酒の類。
更にその頃のクラブではZIMAなんて、思えばなんの酒だよ!?と思ってしまう酒が出回っていて美味しいと思わずに酔うために飲んでた酒もある。テキーラや薬草酒の類。
やっすい日本酒を飲み過ぎて後悔したり、ボトルで芋焼酎を仲間でシェアしたりもした。
旦那がやっていたBarではBarなのにやたら緑茶ハイの類が美味しくてそればかりを飲んでいた。
赤提灯を巡っては二十代ですでにおっさん化していた。
ワインは途中で洋食にはやはりワインが合う(味が変わる)と分かった時からだった。洋食と言っても洒落たお高いお店ではなく小皿で楽しむような安いお店だ。
ワインにこだわるBarにも行った事があるが、私の経験上はこだわる店は=偏ってる店が多い。
料理を主体にワインにこだわる店は別だ。きちんとバラエティー豊富に揃えてる所が多い。
旦那はお酒を提供していた側なのにずっとワインが飲めなかった。というか好まなかった。
私と結婚して、洋なものを食べる機会が増えてからそして、とある赤ワインにものすごく衝撃を受けた時から見事にその世界が解放されたらしい。
カルフォルニアのジンファンデルの一本だ。
私たちには共通してこの初めに衝撃を受けたワインを中心にそれと比べどうか?という選び方の指針が成立している。
牛肉とワイン、チーズとワイン、生ハムとワイン、というおなじみの組み合わせが『イケすかないわ~』とか思った時代もあったが悔しいことにその組み合わせが本当にナイスカップルなのである。
これを発見した人はすごいな、と思う組み合わせ。
今の楽しみは食べることくらいしかない、という人も多いと思う。
これを機に料理をなんて人も増えてるかもしれない。
私は正直言って料理がそこまで好きなタイプではない。
そう気づいたのは実はうつ病になってからだ。
掃除や洗濯はきれいになって行く過程や干されてる洗濯物を見るだけで物凄い達成感と癒しを感じるくらい好きなのだが、こと料理に関しては『ああ、そろそろ作らなきゃ』と考えてしまう事が多い。
うつ病がの症状が良くない時はこのあまり乗り気になれない家事が物凄く億劫になり、やる気が無くなってしまう。
それで気づいたのだ。
「あ、私家事の中で料理はあまり好きじゃないかも、むいてないかも」
と。
調子が悪い時に初めて気づく自分の本質ってものが結構あったりする。
最近はそれを楽しめるようにもなってきた。
これが億劫だから、できないから今調子が悪いんだな、と逆に気づくという技も手に入れた。
頑張り過ぎず、頑張っていかなければいけないこの毎日をなるべくなら好きなことで埋めていきたい。
自分を守るために。