私は親になれない

流産を3回経験し、絶賛『鬱病』闘病中・子なし四十路女の小言。それでも切実に伝えたい事。この日本でも個人での自由な生き方がもっともっと当たり前になりますように.....。

53、意味がわからない

一年半という短期間に妊娠、流産、妊娠、流産を経験してホルモンバランスのジェットコースターを繰り返した結果、体をぶっ壊して、内臓全体が沈黙し、痩せ細ってしまってからなかなか太れない。

元々痩せすぎだ、と言われていて周りからは『羨ましい』とよく言われたが、自分的には痩せすぎてて不健康そうでそれが嫌で、グラマラスな方に憧れたものである。

だから羨ましがられても、私だってこれがコンプレックスなのだ。と心に秘めていた。

 

一般的に『痩せている』ことの方が『いいこと』という思想が圧倒的多数で世に出てる情報も大体が痩せるための何か、というダイエット情報ばかりだ。

太りたいと情報を集めたいと思ってもほとんど存在しない。

3度目の流産手術を終えた後は暗闇くんが伴侶となってしまったのでどうにも食べられない日々が続き、一気に5kg以上体重が落ちてついには生理も止まった。

上半身はおじいちゃんみたいになってしまったので、ぶかぶかの服、主にメンズの洋服を選ぶようになった。

会う人会う人に

 

「痩せましたね〜」

と言われ顔では笑っていたが、それで物凄く傷つく日々であった。

 

眠れない時に『どうしよう眠れない』と考えれば考えるほど眠れなくなるのと同じで

食べれなくなると『どうしよう。食べれなくなったらまた痩せてしまう』という怨念が私にはこの3年ずっと張り付いてるのだ。

懐かしきファミコンゲームの『いっき』に出てくる幽霊みたいにモヤモヤとず~っとくっついている怨念だ。

胃腸は脳みそと繋がっていると言われるように、こう思えば思うほど食べれなくなるのだ。

 

スープを一口入れただけでお腹一杯になったり、朝普通に食べれた日もその後は全くお腹が空かない・・という感じが続いたのでその度にこの3年の間に胃カメラやMRIも2、3回やった。

異常はいずれもなかった。

 

整体や鍼灸、アーユルヴェーダなどに触れるようになってから更に自分の体に敏感になった。

特に整体の先生には「ここが硬いから調子悪い時に優しく横に押すようにして」とかなり細かく指示をもらってそれをやるとお腹がまんまとグルグルと言ったりするものだから、自分の体に(特に胃腸や子宮)触れる事が自分の中で当たり前になり、

『あ、ここが硬い。でも、胃は柔らかいから不調なのは腸かな』

なんて昔は考えもしない、いや、普通は無意識であるべき事に対して常に電波が立っている。これも疲れる一つの要因になっている。

 

食べれる事は幸せだ。少し思うように食べられるようになってきた今、心からありがたさを感じている。

食べれない時、世の中がものすごくつまらなく沈んで感じた。

 

違う事情で食べられない人たちも沢山いる。

日本にも世界にも。

だから今やたら地上波やyoutubeで流行っている大食いや激辛食いの類がものすごく下品に感じて大嫌いで仕方がない。そもそもそれの何が面白いのか意味がわからない。

 

私も口では、頭では食べたいのに体がそれを受け付けなかった一番ひどい時に横で旦那がそれはもう美味しそうに元気に食べたり飲んだりしてる姿が死ぬほど辛かった。勿論、何も悪い事をしてなかったわけだから極力それを伝えたりはしなかったけど。

 

なんだかんだ豊かになりすぎた国は、一番大切な事を忘れ、食べれる事を当たり前と考え、それをネタにして喜ぶようにまでなってしまった。

そんな事してるくらいならその分をもっと有意義に、必要としてる人に行き渡らせて欲しい。

これこそ私は究極のハラスメントだと考えている。